近年盛り上がりを見せるアウトドア市場。他人との接触を避け、密になる事なく快適な空間で過ごす事が出来る事から、オートキャンプやソロキャンプが一種のブームとなっています。
そこで注目されている、キャンピングカーやトレーラーハウスにも大活躍の「ポータブル電源」について紹介していきます。
INDEX
キャンプ
アウトドアというと様々なアクティビティが挙げられますが、特に近年人気となっているのがキャンプです。
開放的な屋外の空間で周囲との密な接触もなく楽しめるキャンプが今、多くの人に注目されています。
キャンプ
キャンプと言うと、テントを張ってその中で寝泊まりをする他、BBQや焚火を楽しむ等の過ごし方が一般的です。
キャンプ場にはいくつかの種類の「サイト」があり、“フリーサイト”や“オートサイト”などがあります。
テントをはじめとするキャンプ用具が全て整った状態で、手ぶらで楽しめるプランもありますし、キャンプエリアのみ指定されており、必要な道具を持ち込むあるいはレンタルで借りて楽しむプランもあります。
また、オートサイトにはマイカーを乗り付けてキャンプを楽しむ事ができるので、道具一式をお持ちの方や車中泊の方に適しています。
キャンプ×車
テントやBBQ用具、車中泊をするにしてもそうですが、何かと荷物の多いキャンプでは車選びが重要になります。最も本格的なのが「キャンピングカー」です。
キャンプ場のオートサイトに停車しても良いですし、数泊の泊りだけでなく、キャンピングカーで何日も何週間も旅をしながら色々な所に足を運ぶ事もできます。簡易的なキッチンやシャワーシステムを搭載しているタイプも多く、幅広い使い方ができます。
キャンピングカーと比較されるのが「トレーラーハウス」です。こちらはエンジンを搭載していない固定式の車両ですので、牽引のできる小型のものをマイカーにつなぎキャンピングカーとして利用するケースや、キャンプ場や宿泊施設でコテージのように使われる事が多くなりました。
キャンプ×電源
キャンプ場のオートサイトなどでは、AC電源付きの区画を設けている所も多数あります。料理用の調理器具の電源や冬場に暖を取る為の熱源、充電式ランタンやスマートフォンの充電などにも「電源」があると便利です。
自動車もエンジンをかければシガーソケットやUSB出力から電力を取る事ができますが、キャンプ場は基本的に車両のエンジンのかけっぱなしはルール上NGです。その為、「ポータブル電源」を車載しておくことで、より快適なキャンプタイムを楽しむ事ができます。
キャンピングカーでは、ポータブル電源をオフィシャルで搭載しているモデルも増えてきており、必須アイテムとして認識されるようになってきました。
尚、キャンプ場や宿泊施設の経営を行う場合でトレーラーハウスを設置するのであれば公共のライフラインをトレーラーハウス室内に引くという選択肢もあります。
ポータブル電源
ポータブル電源が特に注目され始めたのはここ数年で、日本が悩まされている地震被害や台風、豪雨災害を背景とした防災グッズへの関心の高まりがきっかけとも言われています。
では、ポータブル電源とは一体どのようなアイテムなのか具体的にみていきましょう。
ポータブル電源とは
カバンに入れて手軽に持ち運ぶ事の出来るモバイルバッテリーとは異なり、バッテリーとインバーターが本体に内蔵されてACが使用できるという点がポータブル電源の最大の特徴です。
出力はUSBやDCポートなどに対応し、様々な機器の使用・充電に対応しています。ポータブル電源の性能の要となるリチウムイオン電池は年々性能が上がり、容量の大型化、サイズの小型化が進み、最新のものでは5000wh以上の大容量モデルも実現しています。
(※「wh」(ワットアワー):電力を表す「w(ワット)」に、時間「h(アワー)」をかけた“電力量”の事)
充電方法
ポータブル電源を充電する方法は様々で、600w程の大容量ACアダプタに対応するものや、ACとUSBを併用充電できるタイプなど、効率良くそれでいて高速に充電する事の出来るモデルが多く登場しています。キャンプはもちろん、災害時にも安心の太陽光充電に対応したMPPTコントローラー内臓モデルも発売されており、リチウムイオン電池の高性能化に伴い、ポータブル電源の本体も高機能化が進んでいます。
種類
初期のポータブル電源には、鉛バッテリーが使われているものもありました。鉛バッテリー搭載のモデルはとにかく重たいのがデメリットでしたが、現在はリチウムイオン電池が主流となっています。搭載されるリチウムイオン電池の高性能化が進んでいるという事を紹介しましたが、リチウムイオン電池の中にも大きく2つの種類があります。
三元系
NMC(ニッケル、マンガン、コバルトの三文字を取った化合物)を正極に利用している電池で、高く車載向けに改良されたものです。発熱量が少なく、放電特性にも優れており医療機器などにも使われている点から安全性の高さが特徴です。
リン酸鉄
三元系と比較すると、重量や体積エネルギー密度は劣る傾向にあり、ポータブル電源本体の重量を比較しても少し重たいのが特徴ですが、熱暴走を起こしにくいという点がメリットです。
性能
ポータブル電源の性能を判断する為にチェックしておきたいポイントはいくつかあります。
BMS
リチウムイオン電池の司令塔のような役割を果たすのがBMSと呼ばれる部分ですが、バッテリーの監視や制御機能を担当します。このBMSにどのような機能が搭載されているかというのが、ポータブル電源の性能にも関連しますので仕様を調べておくと良いでしょう。
インバーター
内臓インバーターの出力方法にはいくつか種類があり、正弦波・疑似正弦派なのか確認を行う他、使いたい電化製品の消費電力を想定して最大出力や定格をチェックする必要があります。例えばAC100Vを使う電気ケトルなら800w程度、IH調理器具は200w~1400w程のものまであります。車載用に便利なポータブル冷蔵庫は50w前後、冬場に活躍する電気毛布も60w程度です。
ポイント
ポータブル電源の基本情報がわかった所で早速、選ぶ際のポイントとなる項目を見ていきましょう。
容量
バッテリー容量は「wh(ワットアワー)」で表示されます。例えば1000whの容量のモデルなら消費電力100wの電化製品を10時間使う事が出来るという計算です。しかしながらどのモデルでも多少の変換ロスが発生しますので、表記容量の70%前後の電力消費量に対応するという想定で選択するのがベターです。
AC出力
AC電源とは交流電源のことで、コンセントから供給されている電源を指します。その出力とは、いわゆる「w(ワット)」の事で、インバーターの出力を指します。消費電力の高い家電製品(電子レンジやヒーター、エアコンなど)を使いたい場合には、高出力タイプのモデルを選択しなければなりません。また、インバーターの項目で記載しましたが、パソコンなどの精密機器を利用する際には正弦派インバーターを利用する必要がありますので、その点も確認が必要です。
出力
電力の出口の種類を確認します。
- AC
- DC
- USB-A/C
USBの出力では、それぞれ「QC3.0」や「PD」といった急速充電機能に対応しているかどうかも確認しておきましょう。
急速充電
出力側の急速充電機能も大切ですが、ポータブル電源本体の充電を行う為の急速充電機能にも注目しましょう。
本体への充電は主にACやDC(車載アクセサリーソケット等)、最近のモデルには太陽光充電に対応しているものもあります。そのモデルにより急速充電に対応するものもあれば、充電手段を併用する事でトータルの充電時間を短縮できるケースもあります。(AC充電をしながらソーラーパネルからの太陽光充電も行う等)
充電機能の確認と同時に、バッテリーの寿命についても確認しておくと安心です。
パススルー充電
ポータブル電源本体を充電しながら家電製品の給電ができるタイプのものです。充電している最中は給電ができずに家電製品を使う事ができないといったモデルもありますので注意が必要です。パススルー充電に対応しているモデルは、非対応モデルとは違ってバッテリー負荷を考慮し、寿命が縮まるのを防いでくれる仕様になっています。
サイズ・重量
先に挙げたようないくつかのチェックポイントをチェックし、希望の性能が揃っているモデルを選びます。とてもコンパクトなものもあれば、それなりのサイズのものもありますし、インテリアとしても置く事の出来るようなデザイン性の高いものもあります。女性が使うのであれば重さも気になるポイントですので、比較検討時のチェック項目にしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。話題のポータブル電源について、基本情報や選び方のポイントなどを紹介してきました。アウトドア需要が高まり、ファミリーキャンプの為のキャンピングカー所有やトレーラーハウス経営も注目されていますし、もしもの時の防災グッズとしても、ポータブル電源は非常にトレンドとなっています。
性能や価格帯も様々ですので、是非色々なモデルを比較して、ニーズに合った1台を選んでみてくださいね。