【トレーラーハウスの基本】サイズや条件、その魅力とは?

自家用や事業用など様々な用途で近年需要が高まり注目されているトレーラーハウス。

実際に購入を検討したいけど、大手と呼ばれる販売会社も見当たらないし、わからない事を確認する情報も少ない…。ゼロから始めたいが、まず何から調べたら良いかわからない…。そんな方のための、トレーラーハウスの基礎知識について紹介していきます。

トレーラーハウスの基礎知識

「トレーラーハウス」日本でその名前が知られるようになったのはここ数年~十数年の事です。段々とその魅力が知られてきている事から近年では非常に需要が高まっている傾向にあります。

では一体、トレーラーハウスとはどのようなものなのでしょうか。

トレーラーハウスの歴史

日本ではあまり馴染みのないトレーラーハウスですが、その先駆けはアメリと言われており、100年近い歴史があるとされています。
主要都市の郊外には、トレーラーハウスを主とした集落が整備され、そのエリアには何百世帯というトレーラーハウスの住宅が集まって街を形成しているという程に、住居としてもごくごく当たり前のものとして浸透しています。

日本で注目を浴び始めたのは東日本大震災や近年繰り返す地震や異常気象による被災地での仮設住宅として活用されたのがきっかけです。
簡単に移動ができる、かつ、住居はもちろん事務所や店舗、あるいは仮設トイレなどその他幅広い用途で使う事が出来るという多才なトレーラーハウスの魅力に、現在注目が集まってきています。

トレーラーハウスのサイズ

トレーラーハウスのサイズには、明確な基準はありません。外側のサイズのイメージでみると、小型なものであれば全長6m~7m程度の幼稚園バス程のサイズもありますし、最も需要の高い基本サイズであれば全長11m程度と高速バス程のサイズのものもあります。大きなサイズのものでは全長13m、広さにして30畳程になるものもあります。

利用者の用途に合わせて必要なサイズを選択する事になりますが、日本で牽引する事ができるトレーラーのサイズは、車検を取得する事のできる全長12m以下、全幅2.5m以下、全高3.8m以下が上限です。これよりも大きなサイズになると、移動の際には運輸局で基準緩和という認定を受け、特殊車両通行許可を取得しなくてはならず、運行時には速度制限や誘導車の配置などを行う必要があるとされています。

トレーラーハウスの法的規制

トレーラーハウスが車両なのか建築物なのかという所は利用者としては非常に気になる部分だと思いますが、結論から言うとどちらの可能性もありえるという答えになります。
基本的には“車両”の扱いなのですが、その場合トレーラーハウスが“随時かつ任意に移動することができる”というのが基本条件であり、もしも下記のような状態である場合には“建築物”とみなされ、建築基準法上の建築物に準ずる規制が適応される事になります。

  • 随時かつ任意に移動することに支障のあるポーチやベランダ、デッキや柵があるもの
  • ガスや電気、吸排水や電話などの設備の為の配管や設備配線が工具を必要とする簡易着脱式でない場合
  • その他、床面積や高さ、形態や設置状況などから随時かつ任意に移動できると認められない場合

こういった状態以外であれば、「車両を利用した工作物」に該当され、建築物としてはみなされず、車両の扱いになります。

トレーラーハウスの魅力

近年注目されるトレーラーハウスには、様々な魅力が沢山詰まっています。
では具体的にどのような点がトレーラーハウスを活用するメリットなのか紹介していきます。

“建築物”ではなく“車両”であること

前述の通り、定められた基準を満たしていれさえすれば、基本的には“車両”として利用する事ができます。建築物ではないという事は、厳しい規定の多い建築基準法の対象にはなりません。ここで大きなメリットと言われるのが、通常であれば建物を建てる事ができない市街化調整区域のエリア内に建物と同様の空間を作り出す事が出来るという点です。

家を建てたい、お店を開きたい、そういったニーズがある場合、建てたいエリアが市街化調整区域内だったとしてもトレーラーハウスであれば基準を満たせば設置する事ができます。
また、建築物ではない為、普通であれば建物に対して発生する固定資産税が発生しないというのも大きなメリットであると言えます。

初期費用が安く済む

家を建てようと思ったら、家を建てる事の出来る土地を探す所からはじまり、地盤調査や地盤改良、そして設計、建築とかなりのお金と時間がかかります
不動産会社から物件を賃貸で借りようと思ったとしても、初期費用や仲介手数料が発生し、店舗となれば月々の支払いも大きな金額になります。しかしトレーラーハウスであれば新車でも中古車でも手に入りやすい金額で購入する事ができ、事業用であれば減価償却は4年。ローンを組む事もできますし、なにかを新しく始める時の初期費用としては低いコストで始める事ができます

ランニングコストが低い

初期費用の安さに加えて維持費の安さもトレーラーハウスの魅力です。建築物にならない条件を満たしていれば固定資産税はかかりません。更に、“車両”であるにも関わらず、駆動設備(エンジン)を搭載していない事から自動車に関係する税金も発生しないというのが特徴です。

トレーラーハウスを所有している事でかかる費用と言えば、定期的なメンテナンスとしての外壁塗装や内装のクリーニングが主なものです。その他飲食店や住居用であればキッチンや水回りの設備がありますのでその辺りは専門の業者に依頼する事になりますが、基本的にはトレーラーハウス自体の維持費というのは非常に低コストであると言えます。

移動が簡単

トレーラーハウスの基本的な扱いは車両であり、“随時かつ任意に移動することができる”のが基本です。動かす為の車両ではないとしても、動かしたい時にすぐに動かす事が出来るのが魅力です。これができる事により、例えば期間限定のイベントなどで一時的に設置して利用し、イベントが終わったタイミングで撤去する事も簡単です。

新しい事業を始めたいけれど、まだ試験段階なので軌道にのるまではお試し店舗でスタートしたいといった場合にも気軽に始める事ができます。

手放す時のメリット

建築物なら、使わなくなった時には解体しなくてはなりません。あるいは建物の中の1部屋を購入して店舗利用している場合には、次の買い手が見つかるのを待たなくてはなりませんし、修繕費用やリフォームに大きな金額が必要になる事も予想されます。

ですがトレーラーハウスなら中古市場も非常に需要が高まっているので、手放したい場合でもすぐに、そして高く買い取ってもらう事ができるでしょう。内装のリフォームや外装のイメージ変更なども幅広いデザインに対応している為、ユーザー次第で如何様にもカスタマイズできるのが手放す後も買い手が見つかりやすいので売却メリットが見込まれる安心感があります。

日本トレーラーハウス協会

一般社団法人日本トレーラーハウス協会をご存知でしょうか。協会では、トレーラーハウスの文化向上の為に、運搬時や設置時に現行の法律を遵守する事を絶対条件として、これから広がる分野であるトレーラーハウスを産業として確立していく事を目指して活動しています。

日本でトレーラーハウスの認知度が高まってきたのはここ数年~十数年の話であり、段々と法整備が整ってきている最中であるのが現状です。ユーザー側の正しい知識が乏しいのも事実である事から、こういった協会が率先してトレーラーハウスの普及に伴う環境を整備していってくれる事で、利用者もガイドラインを参考に安心して利用する事ができます
注目されてきている利便性の高い設備であり、相談窓口も少ないのが現状ですがこういった頼りにできる窓口があるというのは非常に安心と言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。近年注目が高まっているトレーラーハウス。用途も幅広く、住居用としても事業用としてもメリットが多く非常に魅力的と言えます。

一般的にはまだまだ知られていない事も多く、購入を検討したいと思っても情報量が少なく事前調査がなかなか思うように進まないのも現状ですが、わからない事は取り扱い業者に問い合わせを行うと良いでしょう。
基礎知識を持った上で、自分のニーズに合うトレーラーハウスと是非出会っていただきたいと思います。