トレーラーハウスが広く知られるようになってきたのはここ数年の事で、段々と認知度が広がってきてはいるものの、まだまだブルーオーシャンの市場です。
そんなトレーラーハウスを使った事業を始めたい方向けに、基礎知識や活用事例を紹介します。
INDEX
トレーラーハウス事業
トレーラーハウスを使って始めたい事業が具体的に決まっている方も、なんとなく事業を始めたいものの具体案が定まっていない方にも、トレーラーハウスには気軽に事業を始めるメリットが沢山詰まっています。
では、そんなトレーラーハウスを使って事業を始める為の流れや方法について確認していきましょう。
事業立ち上げまでの流れ
トレーラーハウス事業をスタートさせるまでの具体的な流れはおおよそ下記の通りです。
①事業を決める
まず、具体的にどのような事業を始めたいかを決める所がスタート地点です。
具体的な案が決まっている方も、これから何を始めるか決めたい方でも、おおよその希望にマッチする点がトレーラーハウスの一つのメリットと言えます。
なぜならば、どのような用途でトレーラーハウスを使いたいかによって、トレーラーハウスの外観や内装はある程度自由にカスタマイズする事が出来るので、使い方に合わせた土台選びをする事が可能である為です。
②設置場所の確保
事業が決まったら、トレーラーハウスを設置する場所を決めます。事業を始めるにあたってその立地は非常に重要になりますが、通常であれば建築物を建てる事のできない市街化調整区域にも設置ができる点がトレーラーハウスのメリットです。
また、狭小地を活用するのも一つの選択肢と言えるでしょう。それほど広さのない土地で建物を建てるのは難しい立地であっても、小型のトレーラーハウスなら設置する事が出来るというケースもあります。トレーラーハウスの設置については各都道府県や自治体により考え方やその規定が異なる場合がありますので、設置予定地域の窓口に事前に確認しておくと安心です。
③トレーラーハウスを選ぶ
事業内容や設置場所が決まったら、その目的に合わせてトレーラーハウスを選びます。
サイズや間取り、外観や内装といったデザインの詳細までこだわって作る事もできますし、ある程度決められたベース車両を購入し、自分でDIYのようにカスタマイズして作り上げていく事もできます。
飲食店として使いたい場合には厨房設備を設置する事もできますし、宿泊施設として使う為にトイレやシャワールームといった設備を設置する事もできます。
トレーラーハウスは工場で組み立てられた上で設置場所まで移送される為、完成までの工期が一般的な建築物に比べて短く済むのが特徴です。シンプルな作りであれば2ヶ月前後での納車も可能です。
④トレーラーハウスの設置
工場での組み立てが完了したら、いよいよ設置場所までトレーラーハウスを運びます。トレーラーハウスにはタイヤが付いていますが、エンジンは搭載していない為自走はできません。サイズに合った方法で、牽引車両による牽引で目的地まで移送します。
設置先では、電気や水道、ガスなどのライフライン整備を整えて設置する所まで業者に依頼する事ができます。
⑤各種届出
トレーラーハウスが設置されて環境が整ったら、事業者としての届け出を行います。トレーラーハウスの設置場所では住所を取る事もできますし、電話も開通する事ができますので各種店舗情報を登録する事も難しくありません。
土地が既に準備できている場合や、購入するトレーラーハウスが汎用型で納期が早いケースなど、スムーズに整えばスタートから2ヶ月前後で事業を始める事も不可能ではありません。
投資としての活用
ご自身がトレーラーハウス事業を行う視点で立ち上げまでの流れを紹介してきましたが、何か事業を始めたい方向けにトレーラーハウスを準備するという投資としての使い方も選択できます。
戸建て住宅のような感覚で家賃を払ってトレーラーハウスに住みたい方や、子供向けの学習塾や習い事教室のスペースを探している方、あるいは観光地などにいくつものトレーラーハウスを設置して宿泊業を始めたいといった方からのニーズも多くあります。そういったニーズを持つ方とのマッチングについてサポートしてくれる業者もありますので、投資目的での購入も気軽に相談する事ができます。
トレーラーハウス事業のメリット
簡単に始める事ができるトレーラーハウス事業ですが、では“簡単に始められる”他にはどのようなメリットが見込めるのでしょうか。
用途
先にも説明した通り、トレーラーハウスの大きなメリットはその用途が幅広いという事です。サイズ展開が豊富である事はもちろん、内装や外装にもこだわりを出す事ができるので様々なジャンルの事業に適応します。電気や給排水、ガスについても一般的な物件と同様に公共のライフラインを引いて使う事ができる点も事業を行う上で大きな利点になります。
店舗としてはもちろん、住居としての利用に適した作りにする事もできますので、自身のセカンドハウスとして利用しつつゲストハウスや民泊施設として貸し出すといった使い方が出来るのも特徴です。
設置場所
トレーラーハウスは建築基準法上の建築物ではなく、あくまでも「車両」の扱いとなります。その為、通常であれば建物を建てる事のできない市街化調整区域内に設置できる点は大きなポイントとなります。また、豊富なサイズ展開を活かし、狭小地や変形地といった土地に順応させる事も可能であり、既存物件を探す難しさに比べて土地選びの幅が広がります。
コストが安い
初期費用、ランニングコスト共に安く済ませる事ができる点もトレーラーハウスの大きなメリットの一つです。
サイズにもよりますが、トレーラーハウスの本体は200万円程度からとかなり低コストです。事業を始める場合には減価償却の対象にもなりますし、初期費用の負担を抑える事ができます。また、元々北米や欧州で住宅として利用されている実績がある為その耐久性はお墨付き。台風はもちろん地震にも耐える事のできる安心設計で、修理やリフォームも滅多に必要なものではありません。
節税効果
通常、事業を始めるにあたり不動産を所有する事になれば、固定資産税や都市計画税といった税金が発生します。しかしトレーラーハウスは建築物ではなく車両の扱いである事からそういった税金は課税対象外の扱いとなります。
車両である事から、車検を継続する場合には自動車税などの車両に係る税金が発生しますが、その税額は不動産所有時に比べるとかなり減額されますのでかなりの節税効果が期待できると言えます。
転用性
事業をスタートする時に付きものなのは、もしも失敗した時のリスクです。始める時から失敗を考えるのは苦しいものではありますが、そういったリスクを考慮する事も事業を始める上では重要になります。
そんな時トレーラーハウスであれば、車両ごと別の場所に移動し、新たな土地に設置して環境を変えて再スタートする事もできますし、もしも事業をたたむ場合には車両ごと中古市場に売りに出す事もできます。
トレーラーハウスの中古市場は需要が高く、供給が追い付いていない状況が続いていますので、よほど状態が悪くなければそれなりの値段で買い取ってもらう事が出来ますので負債を手元に残さずに売却できる見込みもあります。
活用事例
ここからは、具体的なトレーラーハウス事業の事例についていくつか紹介していきます。
飲食店
設置場所を選ばないメリットを活かし、市街化調整区域や道の駅といった場所でのテイクアウト専門店で多く活用されています、サイズの大きな大型のトレーラーハウスにウッドデッキを設置してイートインタイプのカフェやハンバーガー店などに使われるケースもあります。
美容院
個人経営の美容院にもトレーラーハウスはぴったりです。外観や内装にオーナーがこだわりを持つ事もできますし、スパ系のサロンとしても雰囲気のある空間を演出する事ができます。
事務所
個人的な事務所として使われる事もありますが、テレワークが広がる今の時代に合わせてシェアオフィスなどのワークスペースとして活用する事もできます、小型のトレーラーハウスを複数設置する使い方はもちろん、広めのトレーラーハウスを使って間取りを細かく区切る事で複数のワークスペースを作る事ができます。
宿泊施設
トレーラーハウスの特徴を存分に活用する事で、キャンピングカーよりも本格的で快適な宿泊施設として活用する事ができます。個人のセカンドハウスや自宅の敷地内に離れとして使う事もできますし、大型の宿泊施設でバンガローのように設置する事もできます。
複数台設置する事でそれぞれが独立した空間になりますので、ペット向け施設や家族向け施設、カップル向けなど、様々なシーンに特化した空間を提供する事が出来ます。
臨時施設
期間限定のイベントなどで控室や休憩室、喫煙施設といったスペースにトレーラーハウスを活用する事ができます。利用期間に合わせたトレーラーハウスのレンタル事業も段々と増えてきています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。トレーラーハウスを使った事業の基礎知識や多くのメリットについて紹介してきました。代表的な事業事例も御覧いただき、実際にトレーラーハウスを使って始める事のできる事業イメージが広がってきたのではないでしょうか。
まだまだ一般的には馴染みがない現状もありますが、その多くのメリットから今注目され始めているのも事実です。
是非これを機に、トレーラーハウスを使って、“やりたい事”を気軽に始めてみてはいかがでしょうか。