トレーラーハウスは家や建物を牽引していくためのシャーシ(車輪のついたフレーム状のもの)に搭載されており、牽引車で引いていくことで移動させる「車として扱われる建築物」です。
移動することができるセカンドハウスとして、あるいは店舗やオフィスとしてのなど様々な活用ができます。しかし、トレーラーハウスを購入する際には気をつけなければならないポイントがあるため、安易に購入するのはNGです。
この記事では、トレーラーハウスを購入する際に知っておきたいいくつかのポイントについて紹介していきます。
INDEX
トレーラーハウス購入
トレーラーハウスの購入先は、専門の取り扱い会社を始め、中古車販売店や個人売買のサイトやアプリなどです。
特に近年注目が集まっており、需要も高いことから、優良な中古物件が出てきたらすぐに売れてしまう事も多く、じっくりと吟味せずに購入を急ぐといったケースも少なくありません。
ですがトレーラーハウスを購入するにあたっては、注意しておきたいいくつかのポイントがあります。
それについて、国内でのトレーラーハウス運用を推進していく団体である「一般社団法人 日本トレーラーハウス協会」が注意喚起しているポイントを元に、購入時に注意するべきポイントを詳しく紹介していきます。
トレーラーハウスを設置、運転するためには申請が必要な場合がある
トレーラーハウスは基本的には車両の扱いなのですが、場合によってはその設置のために、事前に「建築確認申請」が必要となる場合があります。
設置するための申請が必要かどうかは、建築基準法などの法律に基づいて定められています(条件については以降の項目で詳しくご説明します)。
また、トレーラーハウスを運転(牽引)するためには事前申請が必要とされるケースもあります。この条件を定めている法律が「道路運送車両法」です。
これらの法律に基づいて、申請の必要有無を確認したうえで車両を選定、購入しなければなりません。
建築確認申請について
建築確認申請とは、トレーラーハウスを設置しても大丈夫な土地かどうかを確認することです。トレーラーハウスは、本体のサイズ等により「車両」と「建築物」のどちらの扱いになるかが異なります。
そしてもし「建築物」に属する場合には、設置場所への設置条件を満たした場合に民間の組織が“建築確認申請”を実施します。この検査を通過できないと、設置することが認められず、違法な建物として扱われてしまいます。
具体的にどのような検査が行われているかといった内容や条件については、トレーラーハウスの購入先や自治体の担当の課に確認するようにしましょう。
トレーラーハウス本体の条件はもちろんですが、設置する「場所」側の方も問題ないかといった点にも注意が必要ですので注意しましょう。
道路運送車両法について
道路運送車両法とは、車両が道路を問題なく運転できるかどうかを定義するための法律です。こちらの法律では、トレーラーハウスが一定の条件を満たしている場合、車両ではなく「牽引車」として扱われると決められています。
もしトレーラーハウスが牽引車としてみなされる場合、トレーラーハウスの移送の為に牽引を行う場合、牽引車両用免許の取得と、特殊車両通行許可の取得が必要です。
牽引車両の免許取得には時間がかかる場合もありますので、トレーラーハウス購入時はこちらの法律の条件を踏まえたうえで、購入するものを選ばなければなりません。
トレーラーハウスの設置、運転のために必要な条件について
トレーラーハウスの設置や運転のために必要な条件について、以下で詳しくご紹介していきます。
設置のために必要な条件
トレーラーハウスの中でも「建築物」であると判断されたものは、建築確認審査を受けて、それを通過しなければ設置することはできません。
建築物と判断される条件は以下の通りです。
- いつでも移動できる状態になっていない、移動に影響が出ると思われる部品(階段、ベランダなど)がついている
- インフラの配線や配管が工具を使わないと外せない
- タイヤが外されている
- メンテナンスが不十分
- 設置場所から公道に出るまでの道路がない
- ずっと同じところに設置している
トレーラーハウスは「建築物」か「車両」のどちらかに属することになりますが、上記の判断基準に一つでも該当する場合は「建築物」となりますから、どのような扱いで設置したいかは予め確認しておくと良いでしょう。
車両扱いのトレーラーハウスの場合は、建築確認審査を受ける必要はありません。
運転のために必要な条件
トレーラーハウスの大きさが、幅2.5m以内×全長12m以内×高さ3.8mの大きさを超えてしまっている場合は、「特殊車両運行許可」を取得する必要があります。
また、トレーラーハウスの総重量が750kg以上の場合は「牽引免許」の取得が必須です。
牽引免許は自動車学校に通って取得するか、実技試験への合格が必要になります。その上で、基準緩和の認定を受けることで、初めてトレーラーハウスを牽引できるようになります。
もし基準緩和を受けずにトレーラーハウスを運転してしまうと、道路交通法違反とみなされてしまいます。
また、規定されている重量以下でも、牽引する側の車両の運転にはもちろん普通免許が必要です。無免許で良いというわけではないので、ご注意ください。
トレーラーハウスを即決で購入しない
トレーラーハウスを購入する際は、事前に上記のような手続きの必要性や、利用目的、予算などを踏まえたうえで念入りな選定が必要です。
特に需要が高まってきている今、供給量が少なくて在庫に出会った際に即決で購入してしまうケースも少なくありません。十分に吟味できずに焦って購入してしまうとトラブルの原因になってしまう可能性があります。
そのため、購入前に条件を精査したうえで、法律上問題なく使えるかどうかの確認を行いましょう。
トレーラーハウスを購入した後によくあるトラブル
上記のようなポイントを確認しないでトレーラーハウスを購入してしまうと、以下のようなトラブルに見舞われてしまう可能性がありますので注意しましょう。
設置トラブル
トレーラーハウスが設置条件を満たしていないために、許可を貰えないことがあります。購入するトレーラーハウスが「車両」に属するのか「建築物」に属するのかを確認した上で、設置場所の確保や各種条件を確認しましょう。
許可を貰わずに設置をしてしまうと、法律違反となり、取り締まりの対象になってしまいます。
返品について
購入後に設置条件を満たしていないと言われた後に、購入元に返品しようとしてトラブルになった事例もあります。
基本的に、返品に関する決まりは事前に決められている場合が多いです。また、中古を購入した場合は、基本的に自己都合での返品は受け付けてもらえない可能性が高いです。
困ったら専門家に相談しよう
トレーラーハウスを購入した後にトラブルになってしまってはどうしようもありません。そのため、もし購入が初めてで疑問があるという方は、「日本トレーラーハウス協会」やトレーラーハウス販売元の専門家に相談するといいです。
専門家のノウハウを踏まえて、適切な助言を受けらたり、各種手続きなどのサポートを行ってもらえたりする場合があります。
そのため、困った場合は一人で進めるのではなく、適切な機関に相談するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。トレーラーハウスを購入する際には、事前に確認するべきことや、必須の事項がたくさん存在します。そのため、初めてトレーラーハウスを購入する方は、上記のような手続きなどを行った上で、問題なく使えるかどうかを確認して購入するようにしましょう。
もし購入するのが初めてで、不安があるという方は専門家にサポートを依頼するのがおすすめです。
こちらの記事を参考に、ぜひとも購入後のトラブルに見舞われないようにした上で、有意義なトレーラーハウスライフを送って下さいね。